【気になる】ふるさと納税人気自治体ベスト10

総務省が出している「ふるさと納税に関する現況調査報告」という資料があります。令和4年度版が7月29日に発表になりました。その資料を基に2021年の人気自治体ベスト10と返礼品を紹介します。

◇2021年度のふるさと納税受入額上位10自治体◇

団体名受入額受け入れ件数
紋別市(北海道)152億9700万円110万5051件
都城市(宮崎県)146億1600万円69万5351件
根室市(北海道)146億500万円77万4308件
白糠町(北海道)125億2200万円82万7301件
泉佐野市(大阪府)113億4700万円89万4137 件
都農町(宮崎県)109億4500万円56万2727件
洲本市(兵庫県)78億4200万円58万3982件
敦賀市(福井県)77億2200万円44万5917件
富士吉田市(山梨県)72億1400万円26万6946件
10飯塚市(福岡県)65億6400万円57万4043件

ホタテ人気 紋別市が初の1位

2021年度のふるさと納税受入額1位の自治体は北海道の紋別市でした。

紋別市はふるさと納税の人気自治体の常連ですが、1位になったのは初めてです。

人気の返礼品は、新鮮なホタテやカニなどの海産物。中でも圧倒的な人気を誇るのが、「ホタテ玉冷大」1㎏です。

返礼品の説明書きを見ると、オホーツクのホタテは稚貝を放流して4年間流氷や荒波の中で育てたものだそうで、養殖とは比べ物にならない旨味が凝縮されているそうです。

賞味期限1年で使い勝手もよい

冷凍で賞味期限が1年と長く、一度に使い切る必要がないので、その都度、さまざまな料理に利用できる点で使い勝手も抜群です。

刺身、カルパッチョ、シチュー、フライ、バター焼きなど、使える料理のバリエーションが広いのもホタテのいいところです。

ちなみに玉冷はホタテの貝柱を冷凍した製品を指し「玉冷(たまれい)」と読みます。

2位都城市は肉・肉・肉

1位の紋別市と僅差で2位になったのは、宮崎県の都城市です。昨年の1位から惜しくも陥落となりましたが、受入額は前年より増えています。

また受入件数当たりの単価は紋別市の倍近くですので、1件当たり高額な寄付が集まっていることが分かります。

宮崎といえば黒毛和牛が有名ですが、中でも都城市の「宮崎牛焼肉セット9種盛り」はそのヴォリュームとクオリティの高さで人気を集め、楽天ふるさと納税サイトの精肉・肉加工品ランキングで1位になっているほどです。

焼肉用サイズにカットされた9種類の部位を組み合わせた食べ比べ9種盛りセットが、2万円の寄付で手に入ります。

肩ロースやカルビ、モモなどおなじみの部位だけでなく、イチボ、ザブトンなど通好みの部位やラムシン、マルシンなど聞いたことがないような希少な部位が組み合わされていて、一度は食べてみたくなります。

豚肉ドーンと3.6キロが届く

都城市の人気の返礼品は牛肉だけではありません。

お得感いっぱいの都城産豚「高城の里」わくわく3.6㎏セットは見逃せません。

ロースとんかつ(80g×5)、バラ焼肉(300g)、肩ローススライス生姜焼き用(300g)・切り落とし(250g×8)、ロース・バラしゃぶしゃぶ肉(600g)

これだけの種類と分量が冷凍セットで届きます。

合計3.6㎏で寄付額が1万5000円ですので、単純計算で100g当たり416円になります。

総務省が決めた返礼率3割ルールに当てはめると、返礼品の調達額は4500円になり、100gあたり125円という超破格の価格になります。

合計3.6㎏のお肉がドーンと届くことを考えると、想像するだけでその迫力に圧倒されそうです。

3位根室市、4位白糠町は海の幸がいっぱい

3位は北海道の最東端に位置する根室市です。

北海道でも有数の漁港である根室港があり、カニ、サケ、いくら、ウニなどさまざまな高級食材の返礼品が用意されています。

ここだけでほとんどの海産物が手に入るので、根室市に寄付を集中することで、ほかの自治体で商品を探す手間が省けます。

返礼品選びは楽しみでもありますが、選択肢が多すぎると迷ってばかりで、なかなか決められません。

むしろ、最初からここだけと決めてしまうのも一つの方法ではないでしょうか。

4位の白糠町はいくらが人気です。

おしゃれなパッケージが食欲をそそります。

復活・泉佐野市は5位

2021年度の注目は泉佐野市の復活です。

2019年度まで寄付受入額の1位は3年連続で大阪府の泉佐野市でした。

2019年度の泉佐野市の受入額は184億9700万円。高い還元率とアマゾンギフト券など換金性の高い返礼品をそろえ、桁違いの集金能力を誇っていました。

2018年には497億円の寄付が集まり、ふるさと納税全体の寄付の1割に達するほどでした。

そうした強引なやり方がふるさと納税の趣旨と合わないとして、返礼率規制を決めた総務省と訴訟合戦を繰り広げたのは記憶に新しいと思います。

その影響で2019年の後半と2020年の前半は、泉佐野市はふるさと納税を行っていませんでしたが、2020年7月にふるさと納税に復帰し、2021年度は完全復活の年となりました。

返礼率ルールが改正されたことで、かつてのような還元率の高い返礼品の提供はできませんが、過去に3年連続で寄付額1位を誇った王者ならではのアイデアの詰まった返礼品が提供されています。

6位・都農町はペナルティ中

6位に入ったのは宮崎県の都農町です。

都農町は2021月にふるさと納税の返礼品ルールを逸脱していたとして、対象自治体の指定取り消し2年間のペナルティを受け、現在は寄付をしても税金の控除が受けられません。

2021年度は4月から12月までの寄付額が計上され、6位に入りましたが、2022年度はこのランクから姿を消すことは確実です。

敦賀市、飯塚市が初のランクイン

8位の敦賀市、10位の飯塚市は初のランクインです。

敦賀市はエビ、カニなどの海産物が人気の中心ですが、菓子や野菜詰め合わせなど幅広い品ぞろえも注目されています。

寄付額上位の自治体で異彩を放っているのが飯塚市です。

飯塚市の返礼品の人気品目はハンバーグ、ドリップコーヒー、ミックスナッツなど加工品です。ふるさと納税でおなじみの生鮮品ではありません。

圧倒的に人気の「鉄板焼ハンバーグデミソース20個」(寄付額1万円)は、ふるさと納税の返礼品として業者が開発したオリジナルの製品で、ふるさと納税でしか入手できません。

もともと、飯塚市の特産品だったわけではないのです。

地元の業者の創意と努力が、理想的な形で実現したと言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか。

11位以下でも、旅行型返礼品が人気の京都市など、新しいアイデア返礼品が生まれているふるさと納税。

今年はいつもと違う返礼品を探してみるのも悪くないかもしれません。