新時代競輪「PIST6」を体験
全く新しいスタイルの競輪「PIST6」を見てきました。新時代エンターテインメントへの期待がかかります。その様子をお知らせします。
千葉競輪場が生まれ変わった
PIST6は国際基準のルールで行われる新しい自転車レースです。実施されているのは千葉市のTIPSTAR DOME。老朽化した千葉競輪場が、ドームとして生まれ変わり、昨年開業したばかりの新しい施設です。
TIPSTAR DOMEは分類上は競輪場ですが、通常の競輪競技は行われません。その代わり、ここだけで行われている競技があります。それがPIST6です。
オリンピックの自転車競技でKEIRINという種目があることをご存じの方も多いでしょう。
PIST6は、それと似たスピードを争う自転車競技です。
ライン戦は禁止
6人の選手が1週250mのバンク(走路)を6周し、順位を争います。
魅力はスピード感です。
通常の競輪は複数の選手がタッグを組み、先導したり、並走したりする、駆け引きを行います。これをライン戦と言います。時には選手同士の接触行為などもあります。
ライン戦は競輪の面白さの一つと言われていますが、初心者にとって競輪を分かりにくくしている大きな要素です。
PIST6では、そのような行為は禁止されています。
スピードを競うので単純明快で、見ている観客は爽快です。
時速70キロで駆け抜ける
レースは選手とは別のペーサー(ペースメーカー)が先導し始まります。
スタートして3週目にペーサーのスピードが時速50キロになり、4週目に入る直前にペーサーがバンクから外れると、選手たちは一気に加速。6周目のフィニッシュラインを目指し、全力でペダルをこぎます。
選手たちのスピードは時速70キロに達するそうです。
PIST6がユニークなのは、競技ルールだけではありません。
ライブ会場の華やかさ
音楽ライブのような空間演出が、魅力の一つです。
おしゃれな音楽が流れる空間をレーザー光線が飛び交います。カラフルな映像とかっこいいDJの語り。華やかなダンサーの踊りも盛り上げます。
スモークがたかれ、花火の火柱まで上がったのには驚きました。
野球やバスケットボールなど最近はスポーツのエンタメ化が進んでいますが、その路線を目指しているのでしょう。
でも競輪がこんな風になるなんて。
予想以上の大変身でした。
車券売り場がない
このTIPSTER DOMEは他の競輪場と決定的に違うところがあります。
それは車券売り場がないということです。
PIST6にも3連単やワイドのような車券が存在します。
また従来の競輪にはない単勝があるのもPIST6の特徴です。
しかし、PIST6の車券は会場では買えません。
車券を買いたい人、賭けを行いたい人はどうすればいいのか。
その場合、スマホのアプリ「TIPSTER」や「net keirin」を使って買うことになります。
「TIPSTER」はMIXIが運営するギャンブルアプリです。
TIPSTER DOMEの名前もここからきているのですね。
「千葉競輪場がおしゃれになったのか。試しに行ってみて、ついでに車券を買ってみようか」と出かけてきた人は、会場でビックリするでしょう。
以前の千葉競輪場の常連のお客さんでも、それは同じで、スマホを持っていなければ車券が買えません。
千葉競輪場とTIPSTER DOMEは同じ場所に建っていますが、全く無関係の施設だと考えた方がいいかもしれません。
競輪をベースにしながらギャンブル色を排除し、エンタメ化を目指すPIST6。ファンの高齢化が進む競輪界の将来像を探る試行錯誤の試みなのでしょう。
フード類もおしゃれに
フード&ドリンク類も、従来のギャンブル施設とは違って、ファミリーや若者向けのメニューが豊富です。
会場内のフードスペースは全部で4か所。
食事メインのピザ・ショップ「ORANGE&PIZZA」、レースを眺めながらホットドックやビールが楽しめる「TIPSTAR BAR」、アリーナに駐車しているワゴンで販売する「food truck」、オリジナルのシェイクやスムージーが魅力の「drinkshop」。
無料招待を実施
PIST6は入場無料ではありません。レギュラーシートが2000円、最前列で革張りのプレミアムシートは5000円という価格設定です。
ほかのプロスポーツやエンターテインメント・イベントと比べれば、そんなに高くはないかもしれませんが、ギャンブル場のイメージでとらえてしまうと、割高に感じます。
この辺りは将来的には改定されていくのではないでしょうか。
現在はPR期間ということから、無料招待DAYの実施(抽選)や75%割引クーポンの配布などを行っています。
私も無料招待を使って、体験しました。
最寄りはJR千葉駅
アクセスはJR千葉駅から、千葉モノレールで1駅2分の千葉公園駅で降りて、徒歩2分。
千葉駅から歩くと約15分。
千葉競輪時代に運行されていた千葉駅からの無料バスはなくなりました。
駐車場もありますが、近隣の公園でイベントが行われたりすると、混雑するので要注意です。
まだまだ試行錯誤的な要素が感じられるPIST6ですが、一度足を運んで体験してみる価値は十分です。
無料招待などを使って、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。