【朗報】年金が倍になった

pension

今年度の年金額改定通知書が届きました。昨年度に比べて、おおよそ倍額の支給となりました。うれしい限りですが、実はうれしくない、その仕組みや理由をお知らせします。

年金額改定通知書が届いた

年金の額は毎年4月分から改訂されますが、実際に支払われるのは6月です。

4,5月の2か月分が6月15日に支給されます。

そこで毎年6月1日付けで、今年度の年金額を記した通知書が届く仕組みとなっています。

年金の仕組みや計算方式は複雑すぎて、実際にもらっている人や数年後にもらうであろう中高年の人以外には、退屈な話になってしまうので、細かい部分は省略しながら、説明を続けていきます。

基本額は0.4%減額だが

郵送で届いた通知書には、「年金額は、賃金や物価の変動に応じて改訂を行う仕組みとなっており、令和4年度の年金額は、昨年度から0.4%の減額改定となります」との説明が書いてあります。

いわゆる「物価スライド」です。

実際、私の厚生年金基本額を見ると、昨年度より6000円ほど低くなっています。

では、なぜもらう額が倍増したのでしょうか。

年金は何歳からもらえるの?

その前に、年金の仕組みをおさらいしておきます。

そもそも年金は何歳からもらえるのでしょうか。

(繰り上げや繰り下げの仕組みがありますが、ここでは省略します)

まず国民年金(老齢基礎年金)は男女問わず65歳からです。

私は現在、64歳ですので、これはもらえません。

厚生年金(老齢厚生年金)は、かつては60歳から受け取れましたが、現在は65歳からの支給となりました。

ただ、いきなり60歳を65歳にひきあげるのはかわいそうだと考えたのか、生年月日に応じて、段階的に引き上げていく仕組みとなっています。

男性なら1961年4月2日以降の生まれの人は65歳支給となります。

女性はその5年あと、1966年4月2日生まれ以降の人から65歳支給開始となります。

私の場合は63歳から支給されていますが、この支給額は満額ではありません。

満額がもらえない理由は?

ここからが本題となります。

なぜ、満額ではないのでしょうか。次の3つの選択肢から選んでください。

①65歳よりも早くもらうので

②働いているから

⓷妻が働いているから

正解は②になります。

在職老齢年金

会社で働きながら年金をもらう場合、在職老齢年金という制度になり、給料と年金をプラスした額によって、年金が減額されるのです。

昨年度までは、65歳未満の場合、給料プラス年金の額が月額28万円を超えると、超えた分の一定割合が減額されました。

ここでは細かい計算式は省略しますが、年金が月額15万円で、給料が33万円だとすると、年金は全額カットされてしまいまいます。

本来なら月に15万円もらえる年金が、1円ももらえないという不思議な制度です。

おそらく、この仕組みができた当時は、60歳定年がほとんどで、60歳以降に20万円を超えるような給料をもらう人は少なかったことがあるのだと思います。

平均寿命が短かったこともあり、60歳になったら月に28万円もあれば、あとは退職金や貯金をやりくりすれば、暮らせるだろうという考えだったのかもしれません。

しかし、人生100年時代となり、70歳までは雇用延長せよと国が言っているのに、働けば働くほど、年金が減って損をするというのは時代に合わない変な仕組みです。

制度改革で金額改定

そこで、令和4年4月施行の年金制度改革で、対象の金額が改正されました。

これまで28万円だったものが、47万円になりました。

年金と月給の合計が47万円以上の場合に、年金が減額されることになったのです。

年金が15万円なら月給は32万円になります。

一般の会社員は60歳を超えると再雇用になるケースが多いと思いますが、再雇用で月給32万円以上もらえる人は、そんなに多くないでしょう。

だから今回の制度改革で、かなりの数の対象者の年金が増えたのではないでしょうか。

これが、私の年金が倍になった理由です。

100万円以上損していた

私は一昨年の10月から年金をもらっていますが、これまでの18か月は月に6万円も年金が減額になっていました。

総合計で100万円を超える額になります。

今月、支給される4月分から、その6万円がもらえることになったわけです。

これは素直に喜びたいと思いますが、これまでもらえなかった額が100万円以上あると思うと、複雑な気持ちです。

実は、それでも年金を満額でもらえる訳でありません。

年金とは別に雇用保険の壁があるのです。

雇用保険の壁は破れない

雇用保険の失業給付を受け取っていると、年金は受け取れません。

これも不思議な制度です。

失業し収入がないので、失業給付をもらっているのに、その上、年金が支給停止になってしまう。

60歳定年時代の名残だと思いますが、雇用保険財政も厳しいようなので、この仕組みは改善される可能性はあまりないような気がします。

私は失業給付はもらっていませんが、「雇用保険の高年齢雇用継続給付」というものをもらっています。

これは

  • 60歳~65歳未満
  • 賃金が60歳以前の75%未満になった

この二つの条件を満たす人に雇用保険から、賃金の一部を補填する金額が支給される制度です。

給料が一気に減って、かわいそうだということなのでしょうが、もらえるのは最高で賃金の15%です。

私の場合は月額35,000円ほどですが、ずいぶん助かっています。

ところが、このお金をもらうと年金が減ってしまうのです。

私の場合、月に15,000円程度が減額されています。

参考になれば幸いです

とにかく年金の問題は複雑すぎて、なかなか理解できません。

きちんとした知識がないと不安になると思います。

ここまで書いてきたことは万人に通用する訳ではありません。

あくまで個人のケースですが、実際に私の身の上に起こっていることですので、嘘やデフォルメはありません。

年金に興味を持っている方の参考になれば幸いです。