NSPの思い出をふるさと納税で

NSP

ふるさと納税をクラウドファンディングに活用する動きが広がっています。

岩手県一関市では、ユニークなクラウドファンディング型のふるさと納税が始まりました。

懐かしい音楽グループ「NSPのメモリアルスポットを守りたい」という取り組みです。

(追記)「NSPのメモリアルスポットを守りたい」は5月15日で終了しました。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとはインターネットを使って、不特定多数の人から資金を集めて事業を行う行為です。

CROWD(群衆)とFUNDING(資金調達)を組み合わせた造語だそうです。

ふるさと納税は、自治体の事業を応援するために寄付を行う行為ですので、もともとクラウドファンディング的な要素があります。

中でも、特定の目的を持ったプロジェクトの資金を集めるために、目標とする金額と募集期間を決めて行う場合をクラウドファンディング型のふるさと納税と呼んでいるようです。

1970年代を代表するグループNSP

NSPは1970年代のフォークソングブームを牽引した男性3人組のグループです。

「夕暮れ時はさびしそう」「さようなら」などのヒット曲があります。

今年の6月に結成50周年を迎えますが、実はグループとしての活動は行っていません。

というよりメンバー3人のうち2人がすでに亡くなり、もはやグループは存在していないのです。

一関市がNSPを応援する理由

そんな彼らは、一関市にある国立高等専門学校「一関高専」の同級生として知り合いました。

クラウドファンディングのテーマになっているメモリアルスポットとは、ヒット曲「夕暮れ時はさびしそう」で「田舎の堤防」と歌われた、市内を流れる磐井川の堤防にあります。

そこには、ギター型のオブジェが取り付けられたベンチが設置され、「夕暮れ時はさびしそう」の歌詞が記された譜面台型のオブジェやモニタースピーカーをかたどった説明版があります。

近くのスピーカーからは、夕暮れ時に彼らの曲が流れます。

栗駒山に沈む夕日が眺められる絶景スポットとして市民に愛されているそうです。

ファンの聖地

NSPのリーダーだった天野滋さんは、2005年に52歳の若さでがんで亡くなりました。

このベンチは天野さんをしのんで2019年に設置され、ファンの聖地となっています。

ふるさと納税「NSPメモリアルスポットを守りたい」の目標額は150万円。

集まった資金はベンチの修繕や周辺の草刈りなどの環境整備に使われます。(3年分)

期限は5月15日まで

2月14日に始まった寄付は5月15日まで行われます。

返礼品ありと返礼品なしが選べるようになっています。

返礼品は特にNSPと関連した商品ではなく、一関市の特産の品から選ぶ形となっています。

昨年、悲しいニュースが

私の青春時代に大好きだったNSPですが、昨年、悲しいニュースが飛び込んできました。

メンバーの中村貴之さんが、昨年暮れの11月27日に68歳で亡くなったのです。

死因はリーダーの天野さんと同じく、がんでした。

同級生3人でスタートしたグループの2人ががんで亡くなるなんて。

なんて悲しい出来事でしょう。

私もささやかながら、このプロジェクトに寄付をしようと思っています。

目標達成

(追加)

「NSPのメモリアルスポットを守りたい」は5月15日に受付を終了し、ホームページなどによると、234人が支援、目標の150万円を大きく超える223万5000円が集まりました。

一関市の公式You Yube 「ICHINOSEKI CITY一関市」では、「NSPのメモリアルスポットを守りたい」プロジェクトという動画で、メンバーの平賀和人さんがお礼のコメントを寄せています。

NSPは6月25日に結成50周年を迎えました。

(再追加)

6月25日に50周年のイベントが一関市のベリーノホテル一関で行われました。